春は名のみの
立春を過ぎて、少しづつ日が伸びていく。
今日はこんなに暖かいのに、明日からはまた真冬の寒さだという。
先日、唐突に知らされた悲しい知らせ。
想像を絶する悲しみに、声が嗄れるほど慟哭した。
声が嗄れても、涙が枯れることはなく。
今もまだ受け入れられずに苦しんでいる。
こんなに穏やかな春の夕暮れに、
公園からは子どもたちの歓声が聞こえてくるのに、
あの日から世界は変わってしまったように思う。
いつか。
いつかは心に折り合いをつけて、
懐かしく思える日が来るのか。
厳しい寒さの後にはうららかな春の日が来るのだと、
明けない夜はないのだと、
伝えられなかった思いが、
行き場を失くしたまま途方に暮れている。
離れていても君を大事に思っているよと
声にして、文字にして伝えておくべきだった。
どうか。
どうか今は安らかでありますように。
来世では、心強く、幸せな人生でありますように。
いつかまた巡り合えるその日まで、
私たちは強く、生きていくよ。